kiss me once again 渇いたこの胸に濡れた愛を注いで・・・溺れそうなくらい あなたの海の中漂わせて欲しい・・・


          Kiss me once again


 平凡に過ぎていく毎日なんてクダラナイ・・・。 それは自分には無縁だと思っていた。
  力のない子供の自分を何度も嫌った。 妹を助けられなかった自分に向けられたものは、表面だけの憐れみばかりで。
  何のために、誰のために存在しているのかさえ不鮮明だったあの頃。

 そんな自分を変えたのは一人の男。 真面目一徹で三度の飯より使命を全うすることが好きな、俺が一番苦手だと思っていたタイプの男だった。
 
でも今、その男は自分の傍にはいない。 いや、いる筈はない。 あいつは、頼久は違う世界の人間なのだから。
 ずっと一緒にいられる訳はないのに、分かっていた筈なのに・・・。
苦しい・・・。 何故お前はここにいない?

 『会いたい』

 会いに行くことが許されるならこの魂は癒されるのに・・・。 二度と会えない・・・。 ここに来て抱きしめて欲しくて、涙さえ出なくなっても・・・。

 俺たちは会えないんだ・・・。

こんな風に離れてしまうなら、理想の未来なんて描かない方が良かった。 お前と生きる、幸せな未来を・・・。
 どんなに足掻いても俺が辿り着くのは、 何もない、誰もいない、虚無の世界だけなのか・・・?
 
 なぁ、お前と触れ合えればこの心は包まれる?
ぶつけられる場所がなくて、もう破裂しそう。 一緒にいたい・・・。
 お前への想いが溢れて止まらないんだ。 今でも好きだから・・・。 この想いを遂げたくて、何度も叫んでるんだ。

『頼久の傍で生きたい・・・!』

 空しさだけが俺を支配していくから、お前の声で癒して。今すぐここへ来て。
それが出来ないならせめて・・・、 何もかもをワスレサセテ・・・!
 
 夢や憧れに現実って奴は冷たいから、悲しみ全てを消し去って欲しいんだ、 今すぐに・・・。
 ここへ来てもう一度キスを交わして。 すっかり渇いてしまったこの心に、濡れた愛を注いで潤して・・・。
 お前の愛を溺れるくらいに感じたいんだ・・・。 お願い・・・ここへ来て。
このつまらない日々を殺して、空しさをその声で癒して。
 俺はいつでもお前の傍に・・・お前も俺の傍に。 例えようもない愛はそう、ここにある・・・。                                               





 これは私が友人に頂いた歌からイメージして作りました。酒井ミキオさんの『kiss me once again』という曲を元にしました。
 設定としては、頼久と想いを通わせ合ったけれど現代へ帰る事を選んでしまい、後悔に身を苛まれる天真…という風になってます。
 なかなか歌詞と小説の内容が上手くマッチしていて良いと評判だったので置いてみました。
 もし歌詞を知りたいー、という方がいらっしゃいましたら上の歌のタイトルからリンク出来るのでご覧下さいませ〜♪
                              2004,7,23 up



戻る
























アクセス解析&SEM/SEO講座&ブログ for オンラインショップ開業