囚われる


 「っ、あぅ…っ!」

 大きな質量と焼け付くような熱さに、激しい痛みから天真は顔を苦痛に歪める。強引に貫かれた蕾からは、慣らしていたにも拘らず赤い雫が零れ出てくる。

「くっ…そんなに締め付けるな、力抜けよ…天真…っ」

 痛みに強張った身体は、内部に挿入したイノリを強く締め付けて痛みを与える。イノリはそう言って、天真の身体の強張りを除く為に無防備な前を握り込んで愛撫を加え始めた。
 与えられる前への刺激に、僅かに天真の身体の強張りが和らぐ。しかし、それでも痛みは残っているのか天真は苦しそうにかぶりを振った。

「…イノ、リ…っ…痛、いっ…ぅ…ぅん…っ」

 目尻から光る雫が流れ落ちる。けれど、上気した頬が与えているのが痛みだけではない事を伝えている。

「…すぐに痛くなんかなくなる…もう少し我慢してろよ…?」

「そ、んな…事…言われても…痛い、もんは痛い…っ」

 けして引き下がろうとはしないイノリに、苦しげに息を吐きながら天真は文句を言った。こんな時でも気が強いのは変わらないようだ。
 クスッと、イノリが微笑う。

「じゃあ、痛みなんて気にならなくしてやる…気にする余裕なんて、やらない」

「…え…っ?」

 イノリの言葉に戸惑う天真を無視して、首筋に舌を這わせて前を扱く速度を速めた。強く弱く、翻弄するように愛撫を与えながら首筋や鎖骨を執拗に舐めていく。

「ゃ…っ、あぁんっ…あっ・・・そ、んな…はぁ…っ、あぁ…んっ」

 後ろをイノリのもので占領され、前を何度も愛撫されながら舌でも刺激を与えられて、天真の口から再び激しい息遣いと共に喘ぎ声が零れ出す。

「…ぁん…や、ぁ…そんなに、したら…俺…もう…っ」

「もう…何?言ってみろよ…天真…」

 喘ぎながら上手く言葉に出来ない天真に、わざと意地悪くイノリはそう言う。天真に言わせようとしている、という魂胆が見え見えで心底悔しかったが、言わなければもっと苦しい思いをするような、そんな既視感を感じて。
 天真は恥をかなぐり捨てて、口を開いた。

「…そんなに、色々されたら…おかしく、なっちまう…っ、から…」

「…達かせて欲しい…?」

 非常に楽しげに哂いながら、イノリはそう言って天真の内部に埋めた自身を快感を引きずり出すように動かした。

「…あぅ…っ!!…ぁ、イ、ノリ…俺…なんか変…あぁっ、あぁん…っ」

「すっげー気持ちよさそうな顔してる…ここ、そんなにいい?」

 少しずつ速度を増しながら、より深くへと出し挿れさせてわざとらしくそんな質問をする。しかし、もう、天真に答えられるだけの余裕はなかった。

「・・・ぁふ…っ、ぅぅんっ…やぁ…ああっ、あぁん…っ、は…ぅっ」

「…もう答えられないか…いいぜ、天真…もっと乱れて、もっとこの腕の中で狂って見せろよ…今のお前、サイコーに綺麗だ…」

 何度も何度も、激しく腰を律動させて天真の全てを犯していく。その倒錯的な感覚に、いつの間にかイノリ自身も気でも狂ったかのようにのめり込んでいた。

「…っ、ホントに、サイコーな気分だぜ…お前ん中、気持ちよすぎ…っ」

「…あぅん…っ、あぁっ…イ、ノリ…イノリ…っ!」

 激しく揺さぶられ腰を揺らしイノリに縋りつきながら、天真は救いを求めるようにイノリの名を繰り返す。
 限界はもう、間近だった。

「…達こうぜ、一緒に…な?天真…っ」

「…はっ、あぁ…も、もう…あっ…あぁぁ―――――っ!!」

 イノリが一際強く天真の内部を突き上げるのと、天真がより強く快感を得て達してしまったのはほぼ同時だった。イノリの腹部に天真の放った白濁とした飛沫が勢いよくかかる。
 一瞬遅れて、イノリも天真の中へと欲望の迸りを放った。

「…ぁ…はぁ…イノリ…」

 小さくそう呟いて、天真はぐったりと身体をイノリの腕に預けて瞼を閉じる。どうやら意識を飛ばしてしまったらしい。

「…気、失っちまったか…」

 意識のない天真の身体を抱き締めて、イノリもそっと呟く。

「ごめんな、天真…こんなやり方しか出来なくて。でも…我慢できなかったんだよ、あいつに無条件な信頼寄せてるお前見てたら…」

 それは小さな、けれど大きな嫉妬。他を見ている天真に振り向いて欲しいという、子供の焼きもちのようでいて、彼を独占したいという醜い感情の表れだった。

「渡したくなかったんだ…お前を。…ホントに、ごめん…」

 愛おしそうに腕の中の天真を見つめて、イノリはただ、誰にも聴かれる事のない懺悔を夜の闇に呟いた―――――。

end


何とか終わりました…何だかイノリがすごい人に…(-_-;)
ここまで読んでもらってもうお分かりかと思いますが三角関係ものです。イノリの言う『あいつ』とイノリが天真の取り合いしてるわけですね、はい。
今回のはイノリがあいつの目を盗んで天真を強引に抱いたという訳です…あいつ、はもう誰だかお分かりですよね、皆様…?あえて口にはしませんが、某武士です。←それ、口にしてる…(笑)
そして私の為に言い訳…あくまでもこのイノリはイノ詩のイノリとは別だと思って下さい。うちのイノリは基本は詩紋一筋なんで(笑)
2004,11,22 up



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